VRSJ論文誌 2025
他者アバターがソーシャルサイモン効果にもたらす影響
隣にいるだけで、反応が引きずられる
自分の反応時間が、隣にいる他者の存在に引きずられる「社会的サイモン効果」。VR空間で他者アバターの表示方式を変えると、この効果はどう変わるのか。隣接する2体のアバターによる共同サイモン課題を用いた実験で検証しました。
自分の反応時間が、隣にいる他者の存在に引きずられてしまう「社会的サイモン効果」。一人で課題に取り組んでいるはずなのに、まるで相手と役割を分担しているかのように反応が変化する現象です。VR空間で他者アバターの表示方式を変えると、この効果はどう生起するのかを検証した実験研究です。
背景
サイモン効果は、刺激の位置と反応の位置が一致しないときに反応が遅れる現象として知られていますが、二人で課題を分担する「共同サイモン課題」では、隣に他者がいるという事実そのものが自分の反応に影響することが報告されています。VR空間でアバターを介して他者と共在するとき、この社会的な引きずられがどのような条件で生じるのかは、十分に検証されていませんでした。
リサーチクエスチョン
- 他者アバターの表示方式(見え方)は、共同課題における社会的サイモン効果の生起にどう影響するか。
研究の方法
隣接する2体のアバターが共同でサイモン課題に取り組む実験デザインを用い、他者アバターの表示方式を操作条件として比較しました。
わかったこと
他者アバターの表示方式の違いによって、社会的サイモン効果の生起のしやすさが変化することが確認されました。物理的に同じ空間にいなくても、アバターを介した他者の存在が自分の反応を左右しうることを示す結果であり、複数ユーザーが共同作業を行うメタバース空間のアバター表示設計に示唆を与えています。