卒業論文 2026 · Naemura Lab

Cloth Custom TrAIner

初心者の「アレンジしたい」を、構想から制作まで伴走する

既製の服を自分好みに手直しする「衣服のアレンジ」は広がりを見せているが、初心者にはアイデア創出も材料選びも手順の組み立ても高い障壁がある。画像から衣服の特徴を読み取り、対話でアレンジ案を練り、仕上がりイメージを生成し、制作手順まで示す支援システムです。

既製品に自由に手を加えて自分好みの一着に近づける「衣服のアレンジ」は、若者を中心に広がりを見せています。しかしアレンジをしたことのない初心者にとっては、アイデア創出も材料・道具の選定も作業手順の組み立ても高いハードルです。構想から制作までを一貫して伴走する支援システム「Cloth Custom TrAIner」を開発した研究です。

背景

既存の衣服デザイン支援AIツールは、特定の加工方法に限定してサービス側が制作を代行するものか、衣服の特性を考慮しない汎用的な制作支援のいずれかにとどまっており、初心者が日常の中で必要に応じて多様なカスタマイズを自ら実践することを想定した支援は存在していませんでした。

システムの仕組み

Cloth Custom TrAInerは、衣服の特徴解析・カスタマイズ案の提案・制作手順の生成という3段階で構成されます。ユーザーがアレンジしたい衣服の画像を入力すると、種類・色・柄・素材などの特徴をAIが読み取ります。そこにテキストで希望の方向性を伝えると、2段階のLLMが実現可能性を考慮しながらアレンジ案を提案し、仕上がりイメージを画像として生成して事前に確認できるようにします。提案は対話を通じて修正が可能で、案が決まると初心者でも迷わず実行できる段階的な制作手順が生成されます。

研究の方法

プロトタイプを開発したのち、研究室内部の参加者を対象に機能評価実験とインタビューを実施し、得られた課題(視覚的な補助情報や文字情報整理の不足、制作中の対話支援の欠如など)をもとにシステムを改良しました。改良版を用いて、研究室外部の参加者を対象とした評価実験を行いました。

わかったこと

システムの各機能は、構想段階での完成イメージの形成、制作段階での完成イメージ通りの制作実現、構想・制作における主体的な意思決定、そして実践を経た衣服アレンジへの関与そのものの変化をもたらすことが観察されました。専門知識に依存しない入出力への肯定的な評価が得られた一方、視覚的な補助情報の不足や制作中のリアルタイムな対話支援の欠如など、改善の余地も明らかになりました。