with CyberAgent · CSCW
生成AIとクリエイティブワーカー
現場の質的調査
AIが「決定」を下す職場で、プロのデザイナーはどう働き、何を感じているのか。広告制作の現場に入り込み、インタビューとフィールドワークで描いた研究です。
生成AIがクリエイティブの現場に入ってきたとき、そこで働く人たちには何が起きるのでしょうか。この問いには、アンケートの平均値ではなく、現場の空気ごと記述する研究が必要です。
背景
広告制作の現場では、AIが制作物の良し悪しを予測して「決定」に関わるようになっています。プロのデザイナーがそのAIとどう折り合いをつけて働いているのかは、「AIに仕事を奪われる/奪われない」という単純な図式で語られがちで、現場の実態は十分に記述されていませんでした。サイバーエージェントとの共同研究として、広告制作の現場そのものを対象にしました。
リサーチクエスチョン
制作物の評価や意思決定にAIが関与するクリエイティブの現場で、デザイナーは自らの専門性とAIの予測をどのように調停しながら働いているか。
研究の方法
広告制作に携わるプロのデザイナーを対象に、インタビューとフィールドワークを重ね、働き方の実態を質的に分析しました。VRやメタバースの研究で磨いてきた質的研究の方法論を、AIと労働という新しい現場に持ち込んだ研究です。
わかったこと
デザイナーたちはAIの判断を鵜呑みにするのでも拒絶するのでもなく、自分の専門性とAIの予測のあいだで、日々小さな交渉を繰り返していました。「奪われる/奪われない」の二分法には収まらない、もっと繊細な風景です。技術が人の仕事をどう変えるかは、技術の仕様書には書かれていません。それは現場で、働く人の言葉の中に現れます。