JSPS Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory) · 2026–2027
Elucidating the Mechanism of Social Cross-modal Effects in the Metaverse to Create Sensory Communication Spaces
Soaking in a VR hot spring with friends, you start to feel genuinely warm. This project seeks to explain this phenomenon — sensation arising without any physical stimulus — from the standpoint of our relationships with others.
(English version in preparation — Japanese text below.)
メタバースのユーザーたちのあいだで、以前から不思議な現象が語られてきました。VRの温泉に浸かると、温かい気がする。アバターの頭を撫でられると、ゾワッとした感覚が走る。「ファントムセンス」と呼ばれるこれらの感覚は、物理的な刺激がないのに立ち上がります。既存の知覚研究の知見——視覚だけで生じる温度感覚や触感覚はごく微弱——とは、明らかに食い違う報告です。
この食い違いの鍵は、他者にあるのではないか、というのが僕たちの仮説です。一人でVR温泉に入ってもたいして温かくない。でも、友達と一緒に浸かって「あったかいね」と言い合うと、温もりが立ち上がってくる。ある感覚が別の感覚を補い合う「クロスモーダル」現象に、共有された期待や同調といった社会的な要因が絡む——僕たちはこれを「ソーシャルクロスモーダル」と呼び、その仕組みの解明に取り組もうとしています。
計画では、メタバースでの事例を大規模アンケートとインタビューで集めて類型化し(僕の担当は主にこの質的分析)、生理計測を含む実験で感覚生起のモデルを作り、最後にそのモデルに基づく「感覚コミュニケーション空間」をcluster上に実装して検証します。筑波大学の平木剛史先生(代表)、東京大学の伴祐樹先生とのチームです。
「感覚は身体ではなく、関係性からも生まれる」——もしこの仮説が確かめられたら、視覚と聴覚しか送れないはずのメタバースが、温度や手触りまで運べる場所になるかもしれません。